コッツウォルズ地方

ロンドンから北西へ約三時間。北はトラストフォード、アポン、エイボン、南はバース、東はオックスフォード、西はグロスターシャーに囲まれた、約150kmに及ぶ、なだらかな丘陵地帯をコッツウォルズ(羊小屋のある丘の意味)と呼ぶ。※都市名ではない。
この地方は、イングランドで最も美しい田園地帯。古くから、交通の便が悪く、開発を免れ、ライムストーンと呼ばれる石で作った、何百年も前の建物が、今もそっくり残る。まるでそこだけ中世の村。ハチミツ色の石造りの家、その外壁に伝う植物の、見事なまでの美しさ。普通の人々の庭が、本当に美しい。どこを撮っても絵になる。私が滞在したのは、Worcestere州のBroadway村。ここに3日間とゆうゆっくりした行程。毎朝、5時半起床し、付近のガーデンを見て回った。田舎なのでロンドンと異なり、一軒の家の敷地が広い。大きなお屋敷、また農家の規模も大きい。私が外から見ることが出来るのは、せいぜい前庭か裏庭。しかし、それでも十分見応えがあり、工夫があり、何よりそれぞれが個性豊か。5月末とはいえ、朝は暖房着が欲しくなる程の寒さ。しかし、日中、日がさせば、半袖で間に合い、少し風が吹けば、上着が必要。湿度は少なく、日本でいえば、長野辺りのさわやかな気候。思うに、この気候の変化が、イギリスの植物を、色鮮やかに、背丈の大きな物にしているのだろう。