●フロム蔵王アイランドの
     ゆかいな仲間たち(1)

動物がいなくなって寂しかったアイランドに、ゆかいな仲間たちがやってきた。

(山羊と羊)
 山羊の眼は黄色地に四角い瞳、顔の両端についているのでちょっと変わっている。2頭ともメスの子供で名前はついていない。最初、名前を付けてみたけれど、いつも鳴きまねで「メエー」とばかり呼んでいるので、結局名前は必要がなくなった。ときおり羊が激しく鳴くことがあって、駆け寄ってみるとたいていは山羊が柵から飛び出したために、さびしくなった羊が相棒を呼んでいるのだ。

(ニワトリ)
 鶏は全部で14羽。昼の間は放し飼いなので、アイランド内を勝手気ままにつつきまわっている。14羽のうち3羽だけがチャボで、オスが1羽のハーレム状態。彼は最近やたらと交尾をしていて(一瞬で終わる)、時として人間をライバルとみなすのか、首の下の白い羽根を大きく広げて向かってくることがある。たかが鶏と思って油断はできない。

(アヒルとフランス鴨)
 アヒルは素晴しくきれいだ。黒いガラスのような眼に真っ白な透き通るような羽。西日に浮かぶ彼女のシルエットはとてもロマンチック。でも本当はロンリーガール。最初はつがいでアイランドへやってきたのだけれど、ある朝、オスは忽然と消えてしまっていた。隣のおばさんに聞いたところ「きのう牧場からキツネが白いものをくわえてくるのを見た人がいるよ。キツネも今、子育ての時期だからねえ」と話してくれた。その池に、今度はフランス鴨も仲間入りをした。