●フロム蔵王アイランドの
     ゆかいな仲間たち(97.12)

アイランドの仲間たちの近況をご紹介。

 冬は平飼いのニワトリやアヒルなど家禽類にとって受難の季節である。
 アイランドに6羽いるフランス鴨にもその季節がやってきた。暖かい季節は、池の中央にある中州に小屋があって、夜の間そこにいる限りキツネやイタチから身を守ることができる。それでも池の周りにうっそうと茂った花の影に隠れて忍び寄り、明け方、陸に上がってくるのを狙い襲う。
 群のボスがみんなを守る為に最初に立ち向かうのだろう、決まってボスが先にやられる。今シーズンは8月末に大ボスがやられ、その他のも2羽やられた。せっかく生まれた5羽のヒナも2羽しか残らず、今の数になってしまった。
 タダでさえこの通り、これが冬になり、池の水が凍ってしまうとさらに危険がます。氷上を渡って簡単に小屋に近づくことができるからである。ただし、彼らにもハンディが生まれる。
 枯野となった池の周りに身を隠すところがなく、雪が積もれば足跡も残るからである。
 冬は極力夕方には陸上にある小屋に入れて戸を閉めておくのだが、油断は禁物。吹雪の後や、モヤがかかったような日に彼らはやってくる。彼らだって生きていかなければならない。だから、やられたときは自然の摂理と受けとめ彼らをあまり憎んだりしない。エサの確保の為に彼らは絶対に全滅させないし、子を増やすメスをきちんと残す。無節操に資源を食い潰す人間のことを思えば、彼らを無闇に責めることができないのだ。