●フロム蔵王 四季の便り<1999.JUN>

豊富なタラの芽にワラビも終わって季節は梅雨へ

豊富なタラの芽にワラビも終わって季節は梅雨へ。
●山菜の人気者「たらの芽」のシーズンは毎年ゴールデン・ウィークの少し前ころ。ちょうど「水 芭蕉」目当ての人たちがやって来る頃と重なり、車道沿いに生えているタラの木は格好の餌食と なる。時には人様の家の玄関先のものまでもが標的となる。
今年も例に漏れず根こそぎ略奪されてしまった。しょうがなく連休後に出る2番芽を楽しむこと になる。
5月中旬からはワラビが豊富で、注意深く牧場の回りを歩くと、両手に持てないほどの収穫を得 ることができる。このころは晴天が続き気持ちの良い毎日、その分今度は雑草との戦いが始まる。 作物の植え付け作業に押し寄せる雑草の波との戦いの毎日に”グリーン・ノイローゼ”に陥って しまいそうだ。そして6月、毎日が霧の中「梅雨」へと突入する。

幻の岩魚
●4月24日から25日にかけて、蔵王山麓は、この時期としては考えられない豪雨にみまわれ た。その結果、アイランドの県道側入り口のわきを流れる沢が増水、県道の下を通るヒューム管 が決壊、道路を寸断してしまった。以来道路は不通となっている。この増水のせいで、沢の形状 が大きく変わってしまった。何年か前にこの沢では水量少ないにもかかわらず30センチ近い岩魚 が遠藤氏の手にかかったことがある。その後”魚影(岩魚)”を見た!とか。”いや、あれは鯉 だ!”といった噂がささやかれていた。増水後、水量もやや増え、大きな溜りも何箇所でき、魚 が住めそうな沢に変化した。そして再び”魚影”を見たという人が現れはじめた。”できること なら捕まえて池に放したい”という思いもあってさっそく釣竿とミミズ持参で出かけてみた。 2度ほどチャレンジしたが、私の目には魚影すら現れない。
そんなある日、遠藤氏が私の道具一式を持って出かけていった。なかなか戻ってこなかったので 無視していたのだが...。数時間して現れた彼の右手には笹を口から通した22センチほどの岩魚 がぶら下がっていた。
翌日私の胃袋に納まることになったのだが、卵を持った立派な天然岩魚であった。

キツネも子育て中?
●作物がどんどん成長する春。小動物たちにとっても子育ての季節です。 5月の霧深いある日、 チャンスを狙っていた親キツネが狩りに現れました。収穫はニワトリ4羽、フランス鴨1羽。 これで当分のエサが確保できたことでしょう。生きるもの同士の摂理とあきらめもつくのですが 、数がめっきり減ったフランス鴨が気がかりです。早く卵を暖めて欲しい。